こんにちは、イラストレーターの水無瀬翔一です!
今回は小型犬の擬人化キャラクターのイラストメイキングです。
僕がシリーズとして4枚描いた内の、今回はパピヨンのキャラクターイラストメイキングの解説になります。
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小型犬擬人化イラスト|パピヨン【ラフイメージ】
今回は擬人化キャラクターとして小型犬からイメージを出してみました。
パピヨンということで、キャラクターの特徴を箇条書きで出していってイメージを膨らませていきました。
- かっこいい、クール系
- 西洋風の見た目
- 金髪、碧眼
- ロングヘア
- フォーマルな服装
- 全体的に黄土色を基調にする
上記のようなイメージを膨らませてから、ラフ画を起こしていきました。
ラフ~線画
大まかにポーズなどを決めたラフ画から、線画を起こしていきます。
線画は以下のような感じになりました。
頬杖をつかせることでクールな印象のポーズにしました。
また目もツリ目気味で、髪型もロングヘアーで毛の量を多めに。
服はフォーマルな印象のジャケットにしました。
ここから塗りに入っていきます。
塗り(グリザイユ)
今回はグリザイユ的な画法で描いていっています。
※グリザイユ画法・・・先に白黒で明暗をつけて、後から色を乗せる描き方
今回は4枚で1シリーズとして描いているため、キャラ毎に違った印象を持たせたかったのが1つ。
また、グリザイユ画法は少し重めというか重厚な仕上がりになりやすいのですが、それがこのキャラにマッチするかもしれないと感じたためです。
①影塗り
まずは白黒をベースに影塗りをしていきます。
大体はグレーベースで影をつけていっていますが、色を乗せた時に馴染みやすいようにうっすらと色を入れた影にしています。
②ベタ塗り
基本、色は後から上に乗せていきますが、色を乗せてみたら影が案外薄い、ということが多いので適宜「色が載った状態でどうか?」を確認していきます。
そのためにこの段階で、ベタ塗りレイヤーも用意しておきます。
③影の色調整(オーバーレイ)
この状態で影に色を乗せてみると以下のような感じ。
まだハイライトを乗せていないこともありますが、すごく暗い印象ですね。
影をグレーベースでしか塗っていないので、この段階でこうなるのは当然です。
この影色はレイヤー合成モード「オーバーレイ」を上に重ねて塗ることで調整していきます。
※オーバーレイ・・・ざっくり言うと明るい部分は明るく、暗い部分は暗くする効果のレイヤーモード
(ベタ塗りレイヤーを非表示にすると以下の感じ)
影が馴染みましたね。
その分全体が軽い印象になってしまった気もしますが、それは今後さらに上から塗り重ねて濃くしたり、何度も試行錯誤してイメージに近づけていきます。
④空気感を出す
ここで奥行き感や空気感を出すために、身体と髪の間に、合成モード【スクリーン】で青や白みがかった効果を入れています。
⑤ハイライト
ここで、ハイライトを入れていきます。
髪、瞳、顔、服にハイライトを入れてみました。
瞳に関しては上部やまつ毛にも光を入れています。
⑥服の光を描き込む
ここで、より一段明るい色で服を描き込んでいきます。
影の色を何段階かに分けたり、明るい色も混ぜたりして描き込んでいくとリアルになっていくのでオススメです。
ただ、あまりやりすぎると顔のポップさとのバランスが崩れて服の方が目立ってしまったりする場合もあるので、絵柄とのバランスを取ると良いです。
⑦化粧表現
頬を染めてチークのような表現を足します。
また、唇の色もピンク系でつけ、光も入れていきます。
⑧髪のディテールを追加
髪のディテールを追加していきます。
少し明るめの色で線画の上から描いていきます。
⑨背景
キャラクターが仕上がったので背景をつけていきます。
今回はシリーズで統一感のある背景にしています。
⑩全体の色味調整(トーンカーブ)
最後にトーンカーブで全体の色味を調整していきます。
今回はiPad Proで制作したのですが、PCで見たりiPhoneで見たりすると色味が変わって見えるので、色んなデバイスで見てちょうどいいバランスを探します。
今回は全体的に色味を濃くするよう調整しました。